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2012年3月

映画鑑賞日記・その16

・TOWER HEIST (「ペントハウス」 2011年 アメリカ)

ベン・スティラー、エディ・マーフィー、マシュー・ブロデリック出演のコメディ。
ストーリーや車が出てくるシーンなど、えー、そんな強引な!というところもありましたが、感想を聞かれたら単純に「おもしろかった!」です。

ベン・スティラーの映画って初めてでした。(と思ったら、「リアリティ・バイツ」は彼が監督と出演もしていて、「僕たちのアナ・バナナ」にも出てた、そういえば。ま、彼お得意のコメディが初めてってことね)

エディ・マーフィーは「48時間」「ビバリーヒルズ・コップ」他子供の頃からいろいろ見ているので、私にはお馴染みの俳優さん。

マシューくんは最近はこういうさえない人、あるいはいやな人の役が多いですねぇ・・・。
若い頃はかわいかったんですよ。
(ちなみに、私が選ぶ彼のベスト・ムービーは1989年の「ファミリービジネス」。これ大好き!)

その他、ケイシー・アフレック、ティア・レオーニ、ガボレイ・シディベなど、キャスティングとそれぞれのキャラクターがわかりやすかったのも映画を楽しめた要因でした。


・Beginners (「人生はビギナーズ」 2010年 アメリカ)

脚本も手掛けたマイク・ミルズ監督の実体験を基にしたストーリー。
ユアン・マクレガーとクリストファー・プラマー(この映画でアカデミー助演男優賞を受賞)が父子を演じています。

ユアン・マクレガーの映画はそんなにたくさん観たことはありませんが、彼はよくこの映画のオリヴァーのような、物静かでちょっと頼りない役を演じている印象です。(「彼が二度愛したS」とか「ゴーストライター」とかね)
クリストファー・プラマーは「お父さん俳優」ですね。
英会話の先生に「彼っていつも誰かのお父さんじゃない?」って言ったら、「『サウンド・オブ・ミュージック』で有名なお父さん役だったからねぇ」と言われて、彼がトラップ大佐だったことに気づきました。(遅い)
私がよく覚えているのは「イルマーレ」でのキアヌの、「理想の恋人.com」でのダイアン・レインのお父さんです。
まあ、あれぐらいの歳になればだいたい子供とか孫がいる役になるので不思議ではないですね。
最近では「ドラゴン・タトゥーの女」でも一家のお父さん役だとか。

マイク・ミルズ監督の「サムサッカー」もそうでしたが、ストーリーはきちんとしているけれどなんだかとらえどころのないふわふわした雰囲気を持った映画っていうのかなぁ。こういうの意外と好きなんです。とても素敵な映画でした。

私は動物が得意ではなく、犬やねこが出てくる映画で特に印象に残っているものはないのですが、この映画に出てくる犬はとてもいい役だったなーと思います。オリヴァーとの会話がキュートでしたね。

オリヴァーとアナは一緒にいるとほんとうに楽しそうで、とてもお似合いのカップルでした。
お互いとても大切に思っているのにその関係に怖気づいてしまったり、やっぱりきちんと話をしなくちゃと思ったり。
アナがオリヴァーと一緒に住もうと引っ越して来たときに、ふとしたことで泣きだしてしまうシーンがありました。
オリヴァーはなんで彼女が泣きだしたのかわからずにおろおろしてしまうのですが、私には彼女の気持ちがとてもよくわかりました。
そういったちょっとしたことまで自然な感じで、特に30代40代で恋をしている人であれば「わかる!わかる!」っていうシーンがたくさんあるんじゃないかしら。

私が特に気に入ったキャラクターはオリヴァーのお母さん。
あまり幸せそうではなく笑顔もあまり見せないけれど、根がユーモアあふれる女性なんですね。
まじめな顔をしてふざけたことをしたり、変なこと言ったり。
子供の頃は、こういう親がいるといろいろ大変だったりおもしろさを理解できなかったりしますが、大人になってから思い返すと、きっと素敵なお母さんだったと思うはずだし、そんなお母さんに育てられたことは確実にその人の人間性に影響を与えていると思います。

マイク・ミルズ監督はこれからどんな映画を作ってくれるのでしょうか。楽しみですね。


・IN TIME (「TIME/タイム」 2011年 アメリカ)

ジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・サイフリッド主演のSF映画。

私はSF映画というと予告を観ても興味がわかないものが多い中、なぜかこの映画はおもしろそうだなーと思い、観てみたら予想以上に興味深い内容でした。
同じく、なんで初めにおもしろそうだと思ったかわからないけど観てみたらとても気に入った「ガタカ」というSF映画があり、この「TIME」を観終わってから、監督が同じアンドリュー・ニコルだったことを知りました。
(「ガタカ」で私がもっとも気に入っているのは、自然に生まれた子供のことを「神の子」って呼ぶこと。ロマンチックだなぁと。)

舞台は近未来。この世界では時間が通貨としても使われています。
すべての人々は25歳で成長がストップし、その後の寿命は人によって様々。
貧しい人々はいちにち働いていちにち分の時間を手に入れ、裕福な人々は何百年もの時間を持っている。
とてもおもしろい設定でした。
この設定ゆえに、登場人物は見かけが全員25歳なのです。
当然演じている俳優さんたちもみんな若い。これってとても珍しいですよね。
一見したところでは何歳なのかわからない。
登場人物の男性の、娘・妻・母が並んでいるシーンがありましたが、見た目はみんな25歳なのでどの人が何なのか判断できないのです。
親子なのか恋人なのか、聞かないとわからないっていうのもちょっと不便ですね・・・。(ナンパとかしづらそう)

身体は若いままとはいえ、100年も生きているとやはり精神的に疲れて来るようで、裕福な人々は人生に飽きてしまっています。
裕福ゾーンとスラムゾーンでは、街の色彩やカメラワークも違ったものになるよう工夫したそうです。
裕福ゾーンでは、長年目にしていても疲れないような風景にゆったりとした動き。
スラムゾーンに落書きはまったくなく(彼らにそんなことしているひまはない)人々は時間を惜しんで動きまわる。

街並みだけではなく、服装にも違いがあります。
貧しい人々は着替えなどに時間をかけられないのでシンプルな服装、そして裕福な人々はボタンがたくさんある(=着るのに時間がかかる)ような豪華な服装。
アマンダ演じるシルヴィアのお洋服がどれも素敵でしたねー。

彼女が着ていたのは、ダークな色合いで上半身はタイトなシルエット、スカートはふわっとしたミニというデザインが多くて、私が特に気に入ったのは、フェンディとオープニング・セレモニーのワンピース、ドリス・ヴァン・ノーテンのドレス。(素敵だったなー。あんなの着てみたいなー)
彼女は「クロエ」という映画でもかわいらしいお洋服を着ていましたね。

靴はサンローランやプラダ、フェラガモなどのピンヒール。(どれも11cmはありましたねぇ)
そんな靴で思いっきり走っていて、足痛そうだなーってそればかり気になってしまいました。
ブランドの靴は走るとき用の「スタント・ヒール」という、デザインは一緒だけどヒールが低い(っていっても、7cmぐらいあるんだって!)ものがあるらしいです。
でもアマンダも、インタビューで痛かったって言ってました。そりゃあ、あれだけ走ればねぇ・・・。
「Sex And The City」でキャリーを演じていたサラ・ジェシカ・パーカーもよくヒールで走っていましたよね。
ほんと女優さん尊敬しちゃう!

この世界では、人々は親子や恋人など、親しい人たちに時間を分け与えます。
私が最も興味を持ったのは、この「与える」行為。
自分が持っている時間は自分で稼いだものだけど、親しい人に時間を分け与えるというのはとても自然なことで、私もこのような世界に生きていたら同じことをするでしょう。だってお互い分け与えないと、一緒に時間を過ごすことができません。
しかし、今、自分が毎日働いて稼いだお金を家族や恋人と平等に分け合うか?と聞かれたら、やだー、私のお金だもん、って思ってしまいます。
時間ほど寛大に与えることはできないなぁ。(あ、でも、家族を養うってそういうことですよね)

普通はバス代がなければ歩けばいいし、おなかが空いてお金がなかったらとりあえず寝ちゃえばいいわけですが、この世界ではのんびり歩いたり寝ていたりしたら時間切れで死んでしまいます。
お金は「今日は無駄遣いしてもいい日」なんてありませんが、時間に関しては「今日はのんびりしちゃおう」って思ってしまいます。(私は)
この映画のような世界に(貧しい人として)生きていたら、日々もっと時間を有効に使おうと思うでしょうね。

私たちの世界では、例えばマッサージ30分3000円、といったように、時間でその値段が決まることがあります。
それが、通貨が時間の世界だと、ホテル1泊1か月、売春10分1時間、となるわけです。紛らわしいなぁ、もう。
でもこれは逆に、値段(=時間)の価値が非常にわかりやすいと感じました。
なんていうか、例えば30分のマッサージに3000円の価値があるかどうかは人それぞれです。
もちろん通貨が時間になってもそれは同じなのですが、1泊なのに1か月・10分なのに1時間、と言われると、払えるかどうか・価値があるかどうかは置いておいて、誰もが単純に、高くない?って思うんじゃないかな。

ウィルが働いている工場で作っていたものが、物語の中でも何度も登場する、アルミっぽい感じの四角い時間を貯めておく貯金箱みたいなものでした。(あれは使い捨てなんだろうか?)
未来っぽいスポーツカー(ジャガーのXK-E・ロードスター)もかっこよかったし、高架もちょっとおしゃれな感じでした。

この映画で主人公ウィルを演じているジャスティン・ティンバーレイクは「ソーシャル・ネットワーク」で俳優として評価されて以降、公開映画が続いていますね。
歌手としてもあれだけ人気があるから当然なんだけど、彼はとてもカリスマ性がある俳優さんなので、これからもたくさん映画に出て欲しいです。

この映画は、絵的にも楽しめることがたくさんある上に、ストーリーもキャスティングもよかったので、お気に入りの1本になりました。

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