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2011年11月

映画鑑賞日記・その13

・You've Got Mail
(「ユー・ガット・メール」 1998年 アメリカ)

12年(!)前に日本でも大ヒットしたロマンチック・コメディ。
なぜか今まで観ていませんでした。こういうお手本みたいな映画好きなのにね。

これはようやく日本でもEメールが一般に普及し始めた頃です。
私が初めてメールを使ったのも大学在学中の'97年でした。
メールが届いたときのわくわく・ドキドキした気持ちを多くの人が体験し始めた頃だったからこそ、この映画がヒットしたのでしょうね。

この頃のノートパソコンはこれくらい厚かったんだなー。
'80年代の映画でパソコンが登場するものも多数ありますが、当時は最先端っぽい印象を受けていた当時のパソコンは今見ると「でかっ!」って思いますね。
パソコン通信(って言うのかなぁ?)の画面が黒くて文字が角々なのも懐かしい。(私実際は知らないけど)

この映画の主人公キャスリーン(メグ・ライアン)とジョー(トム・ハンクス)は40歳前後(映画の中に年齢は出てきていないと思いますが、メグ・ライアンとトム・ハンクスがこのとき37歳と42歳)で、それぞれ同棲している恋人がいます。
ストーリー上当然、ふたりともそれぞれのパートナーと別れるシーンがあるのですが、キャスリーンが恋人のフランクにその話を切り出した後のふたりのやりとり(あら?あなたもそう思ってたの?よかったー!誰か好きな人いるのね?あ、あのコでしょ!)がよかった。
長年一緒にいると恋人でもこういう友達みたいな感覚になって、付き合っている彼に「ちょっと気になってるかっこいい男のコがいるの!」ってつい言いそうになった、という友人の話を思い出しました。

キャスティングも設定も、安心して観られるロマンチックコメディでした。


・ROMPECABEZAS
(「幸せパズル」 2011年 アルゼンチン・フランス) 

奇遇にも、最近私はジグソーパズルにはまっているので、なんてタイムリーな映画があるんだ!と思って観に行きました。

主人公マリアがコンテストでパートナーを組むことになる男性がとてもお金持ちなので、彼の自宅にはジグソーパズル専用の部屋があります。
これがうらやましかった!

ジグソーパズルをやっているときって(いちにちじゃ終わらないサイズのものね)どうやって置いておこうか悩むんですよね。
この映画でもごはんを食べるときに、テーブルに置いてあるパズルはどうするんだよ?とだんなさんが苦い顔をするシーンがありました。
先日テレビで、そのまま丸めて保管しておけるシートというものを紹介していました。
やっぱりみなさん、同じことで苦労しているのですね。

この邦題の「幸せパズル」。
私もジグソーパズルをやっているときは幸せだなぁと感じますが、それはパズル自体のおもしろさに加え、恋人や家族など親しい人と一緒に完成させていくことに幸せを感じているのです。
この映画の主人公マリアも、だんなさんと一緒にパズルをやることができたら、もっともっと幸せを感じられただろうなぁと思いました。


・Moneyball (「マネーボール」 2011年 アメリカ)

オークランド・アスレチックスの現GM・ビリー・ビーンが、今から10年ほど前に「マネーボール理論」によってチームを立て直した様子が描かれています。
彼を演じるのはブラッド・ピット。
野球映画といってもいろんな種類があり、実在の人物を描いている映画も多くありますが、この映画は実在のGM、しかも現在もその職についている人物が主人公でストーリー自体もたった10年ほど前に実際あった試合に沿っていている、という非常に珍しい設定です。

私は野球を題材にした映画が好きなのでこの映画も公開を楽しみにしていましたが、思っていた以上におもしろい内容でした。

選手をスカウトするときには打率や投球速度といった成績だけではなく、フォームやルックス・私生活やイメージなどの人気に繋がる要素も考慮に入れて値段や価値が決まる、なんて、言われてみればプロ野球は人気商売なので当然だなぁと思いますが、この映画でそんなセリフを聞くまでは考えたこともありませんでした。

このチームは何がよかったかというとオーナーですよね。
この映画では少ししか登場しませんが、ビリーが好きなようにこの理論を実践できたのは、オーナーのおかげです。
ビリーは自分の理論に信念を持ってオーナーに上手くいくと説得する。そしてオーナーは彼を信頼し任せる。

これは、上司・部下の間で、それぞれがいい仕事をするためにとても重要なことです。
この構図はオーナーとビリーの間だけではなく、ビリーとピーターの間にも存在します。
ビリーはとにかくピーターを信頼していました。
ピーターは自分の理論に信念を持っていながら、今までの環境もあり、なかなか自信を持つことができません。
しかし、ビリーに認められることでだんだんと自信を持ち、お互いの能力がより大きな力となっていくのです。

私は、こういう関係というのは仕事においてだけではなく、親子の関係・恋人との関係にも必要なことだと思います。
片方が片方に従うというのではなく、お互いがお互いを認め合う。
そのためには、それぞれが自分のやり方や信念に自信を持ち相手に理解してもらう努力をする、そしてその相手は思いやりを持ってそれを受け入れる。
もちろん意見の相違があった場合にはきちんと話し合うことが必要です。
そうしているうちに、絆が深まっていくんですよね。

私はオークランドでA'sの試合を観たことがあります。
サンフランシスコに旅行に行ったときに現地の友人が、ちょうどA'sとマリナーズ(イチロー)の試合があるからと、チケットを取ってくれたのです。
この映画を見始めて、もしや?と思ったところ、なんとこの映画に描かれていたのは、私が試合を観に行った2002年の出来事だったのです!
私が行ったのは9月15日だったので(旅行のアルバムに貼ってあったチケットで確認)、奇跡の20連勝を達成した10日ほど後でした。
私が観た試合はマリナーズが勝ちましたが、こんなドラマティックなことが起きているなんて全く知りませんでした。
実際に当時これらの試合を観ていてA'sの選手を知っている人であれば、この映画をより楽しむことができるでしょうね。
ちなみにこの映画では、一瞬ですがイチローの映像が出てきました。

この映画の中でとても印象に残った言葉がありました。
「金額が示しているのはあなた自身の価値」
彼らのようにその能力が明らかに金額で示される場合ばかりではないですが、私たちも会社からもらっているお給料は会社にとっての自分の価値でもあるわけなので、(会社の規模・種類や、仕事量が多いとか少ないとかとはまた別の話)自分の能力や価値について考えさせられる言葉でした。
会社からもらっているお給料だけではなく、今ある生活・自分の能力や自信などすべてが、今まで自分がやってきたことの成果ということですよね。

133分の映画でしたが、初めから終わりまで退屈なところはひとつもなく、全く長く感じませんでした。
これは、やはり脚本のおかげだと思います。

脚本を手掛けたふたりのうち、ひとり目はスティーヴン・ザイリアン。
彼は「ミッション・インポッシブル」(ブライアン・デ・パルマ監督の1作目)の脚本を書いています。
このシリーズ、ひとつ目はおもしろかったんだよなー。(ふたつ目はバイクが飛んだりしてあまりにジョン・ウーだったので、私の中でこのシリーズの印象が悪くなってしまって、3つ目は観ていません・・・)
先日初めて来月公開される4作目の予告を観ましたが、これはなかなかおもしろそうでした。

ふたり目のアーロン・ソーキンは脚本を手掛けた映画はそんなに多くないのに、「ア・フュー・グッドメン」「アメリカン・プレジデント」「ソーシャル・ネットワーク」など、私が好きな映画ばかりです。
どれもアメリカらしくて、うまいなー!って感じのストーリーです。

ビリーの娘を演じていたケリス・ドーシーという女の子は、ドラマ「ブラザーズ&シスターズ」にも出ていた13歳の女優さん。
彼女が楽器屋さんで恥ずかしがりながらギターの弾き語りをするシーンがよかったですね。
透き通ったきれいな声で素敵な曲をとても上手に歌っていてかわいらしかった!

ブラッド・ピットの映画観るのは「オーシャンズ13」以来、久しぶりでした。
彼ロバート・レッドフォードに似てますよね。
ふたりが共演した「スパイ・ゲーム」でもそう思いましたが、この映画はポスターの顔もそっくりでした。

私はイチローが好きなので彼が引退する前にシアトルに試合を観に行きたいと思っているのですが、この映画もよかったことだし相手はまたA'sがいいかしら。

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映画鑑賞日記・その12

・Winnie the Pooh
(「くまのプーさん」 2011年 アメリカ 同時上映「ネッシーのなみだ」)

今年、待ちに待っていたプーさんの映画!
この映画は、昔ディズニーが製作した「くまのプーさん」の絵とほとんど同じでした。(クリストファー・ロビンはちょっと今風でしたね)

絵本の文字が動いたりばらばらになったり、プーがその上を歩いたり、というのも見ていてとても楽しい演出でした。
なんでも、美術監督さんがどうしてもそうしたかったのだとか。
彼も子供の頃にオリジナルでそのシーンを見てとても驚いたからですって。

キャラクターたちがミュージカルのように歌を歌ったり、画風がちょっと変わったり、子供を(おとなも?)飽きさせない工夫がたくさんありました。
なによりキャラクターたちの動きがほんとうにかわいらしくて、見ている間中ニコニコしてしまいました。
数人で観に来ていた女子高校生たちが、かわいらしいシーンがあると毎回くすくす笑っていたのもとても微笑ましかったです。

私はくまのプーさんが大好きで、原作本・ディズニーのビデオをはじめ、ミニカーやおもちゃなどを自分でも呆れるぐらいたくさん持っています。
そんな私にとって、この映画は今年の公開作の中で1・2を争う作品になりました。
上映時間が1時間ほどというのは小さいお子さんでも見やすいのではないかと思います。
同時上映の「ネッシーのなみだ」も素敵なお話でしたよ。


・The Company Men
(「カンパニー・メン」 2010年 アメリカ)

ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナーというオスカー俳優が勢揃いのドラマ。

巨大企業で働くエリート営業マン、ボビー(ベン・アフレック)はある日突然解雇されてしまいます。
また、創設当初から共同経営者としてこの企業を支えてきた役員のジーン(トミー・リー・ジョーンズ)も、長年この企業に貢献し、ブルーカラーから管理職まで昇りつめたフィル(クリス・クーパー)も解雇されます。

さすがに朝出社して「午前中には引き払うように」なんて言われることはないにしても、多くの企業が苦しい今の時代、いつ自分にこんなことが起きてもおかしくありません。
この映画でもそうでしたが、特に大きな企業の場合、人事部は顔も知らない従業員のデータ(仕事内容・給料・年齢など)から、会社にとって効率のいい方法で解雇していきます。
小さい会社でお互いをよく知っていると、会社のためとはいえ感情が交じってしまって簡単にはいかない、ということはあると思います。
この映画でも、ジーンはボビーやフィルをよく知っているので、人事部に反対をするのです。
まあ、そんなジーンも、共に会社を育てて来た社長(彼は何億だか何十億だかの年収をもらっている)に解雇されてしまうのですが・・・。

ジーンは解雇されてもお金に困っているわけではありません。
ボビーやフィルのようにまだまだ学費が必要な子供がいるわけでもなく、必死で仕事を探している彼らと違って気ままな毎日を過ごしています。
私も映画を観ている間、ま、彼は生活できるからいいじゃない、という気持ちでした。
しかし、私がこの映画の中でいちばん悲しかったのは、ジーンがボビーを変わり果てた造船所に連れて行き、「Now everything I spent 30 years trying to build for myself and everybody else is gone」と言うシーンです。
彼はこの会社を作ったひとりなのです。
解雇されて金銭的につらいボビーやフィルとはまた違った苦しみを味わっているんですね。

人間はいちど贅沢をするとなかなかそこから抜け出せないものです。
ボビーはもう仕事もないのになんとかしてゴルフクラブ(ゴルフってプレーする場所も道具も「ゴルフクラブ」でいいのかしら?)の会員費を払おうとして、妻とけんかになります。
結局愛車のポルシェ(これがまたかっこいいスポーツカーなんです)も売らなければならない日が来ます。
一方で、そんなに若くはないのに、大工という肉体労働で質素な暮らしをしているボビーの義理の兄ジャック。
ボビーは彼に雇われてとりあえず生活費を稼ぐことはできても、その暮らしを続けていけそうにはありません。
それでもジャックと働くことで、こういう仕事もある・こういう生活もある、ということがわかりました。
そういう自分が知らない世界を知るって誰にとってもプラスになることです。

このジャックを演じたのがケヴィン・コスナー。
彼は20年ほど前は日本でもとても人気があり、私も大好きでした。
その頃の彼の主演作「アンタッチャブル」「フィールド・オブ・ドリームス」はブログでも書いたぐらい大好きな映画だし、「追いつめられて」「ロビン・フッド」なんかもおもしろかったですよねー。
この映画で彼を久しぶりに観ましたが、適役だったと思います。
他の3人の俳優さんも(私が言うまでもなく)とてもよかったですね。

ストーリーは驚くべき展開があるわけではないですが、面接で好感触だったことがうれしくてたまらない様子や、将来のことを考えているとこの上なく不安になってしまう様子など、登場人物の感情がとても丁寧に描かれていたし、終わり方も思いの外さわやかで、いい映画を観たなぁと思える映画でした。

そして、毎日通える快適なオフィスがあり、毎月お給料をもらうことができて、そのお金でちゃんと家のローンを払ったり大好きな映画を観ることができるってほんとうにありがたいことだと、心の底から感謝の気持ちが湧いてきました。


・Mine Vaganti
(「あしたのパスタはアルデンテ」 2010年 イタリア)

南イタリアでパスタ会社を経営する家族のお話。

ローマに住む次男のトンマーゾは会社を継いでいる長男アントニオに、自分がゲイであることを今夜家族に打ち明けると言います。
しかし、その夜家族が集まる中、突然アントニオが自分はゲイだと告白したため、トンマーゾは自分のことを言いそびれてしまいます。(お兄ちゃんずるい!)
息子がゲイであることを受け入れられないお父さん。

ひと昔に比べたら減っているかもしれませんが、イタリアだけでなくどこの国でもまだ同性愛者であることを親しい人にもカミングアウトできない人は多いのだろうと思います。
映画やドラマの中ではもう珍しくもないけれど、私も同性愛者だと知っている友人はひとりしかいません。(ちなみに彼はアメリカ人)

トンマーゾを訪ねて来る彼のボーイフレンドと友人たち(みんなゲイ)が陽気でとても愉快なんです。
彼らがビーチでダンスをするシーンは大笑いでした。

私は日本でも以前FOXで放送していた「Queer Eye」という番組が大好きでした。
これは、美容・料理・ファッション・インテリア・アートのスペシャリストである5人のゲイガイが、視聴者の中から選んだダサ男たちをかっこよく変身させるリアリティーショーです。
彼らは思いやりがあって楽しくていつもほんとうに陽気なんですよね。
「陽気な」という形容詞のひとつに英語で「gay」という単語があるのは、やっぱり彼らが陽気だからなんですかね?

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