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映画鑑賞日記・その11

・Before the Devil Knows You're Dead
(「その土曜日、7時58分」 2007年 アメリカ)

フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークの兄弟がお金に困って強盗をする、というストーリー。

これがなんともまあ気が滅入る映画でした。
さらに、これを見たのがものすごく暑い夏休みの日だったので、クーラーのない我が家では頭はまったく働きませんでした。

そんなわけで、内容はほとんど覚えていないような状態です・・・。
ただ、そのやりきれないストーリーにさえない容貌のふたりが見事にマッチしていたことと、だるくて憂鬱な内容が私の感じている暑さにマッチしていたために、朦朧としつつも最後まで鑑賞できました。


・Hævnen
(「未来を生きる君たちへ」 2010年 デンマーク・スウェーデン)

デンマーク出身のスサンネ・ビア監督作品。
今年のアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞を受賞しています。

私が映画を観て共感できる最もわかりやすい要素は、登場人物が自分と似通っていることです。
主人公が自分と同じぐらいの年齢で独身女性であったり、性格や仕事の内容が似ていたり、生活の環境が似ていたりという要素がある場合、自然と自分に重ね合わせてしまいます。

この映画はそういった要素はまったくと言っていいほどありませんでしたが、キャラクターやストーリーに共感するというのではなく、それぞれのシチュエーションにおいて、どのように行動するか?どのように感じるか?という点で、非常に共感できる内容であり、自分自身の性格や人間関係について考えさせられる映画でした。
困難な状況・過酷な状況においても常に穏やかでいられるか?ある職業・ある立場において、どこまでポリシーを保てるか?など、自分だったら・・・と思いながら鑑賞しました。

また、友人関係・親子関係・夫婦関係の脆さ、よい関係を保っていくことの難しさををひしひしと感じました。
そしてなにか好ましくないことが起こったときでも、暴力で解決したりただ怒りをぶつけるのではなく、きちんと話し合う・自分の意見や思いを伝えることがいかに大切かを改めて感じました。

お互いをよく理解していて信頼している親密な関係であれば、そんなに大げさに「話し合う」というのではなくちょっとおしゃべりする中でお互いがどんな状態にあるかわかったりするものですが、実際はその「ちょっと話す」ということがなかなかできなかったりするのもまた事実です。
誰かとよりよい関係を築いていきたいのであれば、とにかく自分の思いを素直に話す、そして思いやりを持って相手を受け入れる、という、言葉で書くとなんとも簡単そうなことを、勇気を持って実行していかなければならないと強く思いました。

主要キャラクターである医師のアントンが働く難民キャンプでの過酷な状況と、アントンの息子がいじめを受けて苦しんでいる状況。
この映画は「それぞれの悩み」について描いている映画でした。

例えば、経済的に社会的に、また容姿や生活環境に恵まれている人がちょっとしたことで悩んでいる場合、生きていくのも難しい人と比べてしまうと、その悩みはたいしたことではないように見えます。
しかし私は常々、悩みというのは人それぞれで、どちらの方がよりつらいか、というものではないと思っています。
どんな小さな悩みであれ当人にとってはこの上なく苦しいものであり、だからこそ、それを他人が理解し手助けするのは難しいことなのです。

一方で私自身は、やはり命に関わるような過酷な状況を目のあたりにすると(たとえそれが映画の中の出来事であっても)、今私が悩んでいることはくだらないと思ってしまうし、少なくとも仕事があり住む家があり、家族関係も良好で楽しい時を共に過ごせる友人達がいる、ということに感謝して、不平・不満を言ったらいけないなぁと思うのでした。
背が小さくてやだなーなんて言ってたら罰があたりますよ。


・The Ghost Writer
(「ゴーストライター」 2010年 イギリス・フランス・ドイツ)

ロマン・ポランスキー監督のミステリー。
(なんか彼の名前ってゴシップ・ニュースでしか聞かない気がする)

ピアース・ブロスナンがイギリスの前首相、ユアン・マクレガーが彼のゴーストライターを演じています。
ゴーストライターといえば、ぱっと思いつくのはやはり有名人の伝記です。
私はあまりそういった伝記を読んだことがなく、ゴーストライターについても深く考えたことはありませんが、彼らはゴーストライターとして成功していても、やっぱり小説家になりたかったりするんですかねぇ?
ゴーストライターだと自分の名前も出ないしね・・・。

この映画はキャスティングがとてもよかったですね。
ピアース・ブロスナンは言うまでもなく(彼はジェームズ・ボンドじゃなくても、相変わらずスーツがばっちり決まって素敵でした)彼の秘書役のキム・キャトラルも「Sex And The City」のサマンサとは違う魅力があったし、ユアン・マクレガーの寂しげな感じも役柄にぴったりでした。
彼は「彼が二度愛したS」でも、こういう巻き込まれ型のちょっと頼りない感じの役でしたよね。
この映画で登場人物のひとりが彼に向って「スターウォーズ計画」について話すシーンは、「え?笑うとこ?」と思ってしまいました。

ストーリーはそんなに驚くべき内容ではありませんでしたが、イギリスの孤島でゴーストライター(名無し)が感じている不安な気持ちが、降り続ける雨といかにもイギリスのミステリーっぽい音楽を通して私たちにもひしひしと伝わってきて、サスペンスフルな気分になれる映画でした。

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