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映画鑑賞日記・その7

・SOMEWHERE
(「SOMEWHERE」 2010年 アメリカ)

スティーブン・ドーフとエル・ファニングがジョニーとクレオの父娘を演じています。
監督のソフィア・コッポラはフランシス・フォード・コッポラ監督の娘さん。

どんな関係においても人によっていろいろな形があるものですが、父と娘の関係というのはほんとうにそれぞれでおもしろいなぁと常々思います。

私は父と同じ大学を卒業し、同じような仕事をしています。
同じような仕事をしていると細かいことを説明しないでも通じるので、私はよく父に仕事の話をします。
自分がそうだからということもありますが、私は父娘に限らず親と子が同じような道を進むというのは、お互い誇らしいことだと思っています。
きっとコッポラ父娘もそう思っているんじゃないかしら。

親子だけでなく友人や恋人でも、同じような仕事・同じような趣味など共通点が多い方が仲良くなりやすいというのはありますよね。

映画が始まってしばらくの間、ジョニーはなんだか楽しくないような落ち着かないような毎日を送っています。
別にそんなに見たいわけでもおもしろいわけでもないポールダンスをなぜか見てしまうシーンも、なんかこういうことってあるよなぁと思いました。(別に私がポールダンスを見ちゃうということではなく)
この映画を観たのは居心地のよいお気に入りの映画館だったにもかかわらず、そんな前半部分を観ているときはどうしても落ち着かない気分でした。なんかそういうことってありますよね。
映画観たり仕事するのに集中しなきゃいけないのにどうしてもそわそわしちゃったり、おふとんに入ってもなかなか寝つけなかったり。
それが、クレオが登場して一緒に時間を過ごすうちに、ジョニーがだんだん穏やかな気持ちになっていくにつれて、観ている私も大きなシートに心地よく収まることができました。
これってソフィア・コッポラの手腕なんだろうな。

ジョニーは感情を顕わにしない性格で、私はそういうキャラクターが嫌いではないのと、スティーブン・ドーフがとてもよかったことで、この映画の印象がいいものになりました。
ジョニーがクレオに「そばにいてあげられなくてごめん」と言うシーンが全然しんみりできないシチュエーションで、それはジョニーの性格を反映していたのだと思いますが、だからこそよけいに切なさが胸に刺さってくるシーンでした。

エル・ファニングが作る朝食がとても美味しそうだったり、ワンピースがかわいかったりと、視覚的にも楽しかったです。
大好きな雑貨やさんとかお洋服やさんに行くとわくわくする感じに似ていました。
そして、舞台がロサンゼルスということで、やはりあの明るい日差し!
観ているだけで、その日差しを浴びているようなさわやかな気分になりました。
エンドロールのときに流れていた「Smoke Get In Your Eyes」が (誰が歌っているのかわからないですが)オリジナルとはずいぶん違う雰囲気で、でもそれがそのさわやかな日差しのイメージとぴったりだったのが印象的でした。

この映画の舞台であるホテル、シャトー・マーモントはキアヌが住んでいたことでも有名です。
なんでも、非常に居心地のいいホテルらしいですね。

ロサンゼルスに行きたくなる、とても素敵な映画でした。


・Fantastic Mr.Fox
(「ファンタスティック Mr.FOX」 2009年 アメリカ・イギリス)

ロアルド・ダール原作のストップ・モーション・アニメ。
ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープなど、声優陣が豪華!

ロアルド・ダールの児童文学は「チャーリーとチョコレート工場」でも有名ですね。
私はそれらは読んだことがありませんが、「奇妙な味」と評される彼の小説は大好きです。
短編集「あなたに似た人」もよかったし、長編「オズワルド叔父さん」もあのゾッとする感じが素晴らしい!

この映画はストップモーション・アニメ。
そういうのはあんまり見たことがなく、(以前NHKで放送していたクレイアニメ「ニャッキ!」は大好き!)この映画も特にチェックしていませんでした。

今月大阪に出張する機会があり、仕事が終わって友人達との待ち合わせまでにかなり時間がありました。
その日はちょうどレディースデー。(なにその確信犯的スケジュール)梅田の映画館をいくつか調べて行きました。
私は観たい映画と興味がない映画がきっぱりわかれるため、観たい映画はチェックして早々に観に行き、観たいものがないときは映画館には行きません。
なので、こんな風に時間つぶしで映画を観ることは珍しく、それはそれでわくわくしました。
しかし、行けそうな映画館で上映していたのは、すでに観てしまっているか特に興味がないものでした。
その中で、この映画は興味がないというよりほぼ無視をしていた(つまり興味がないってことか)ので、これなんだっけ?と調べてみました。
すると、ロアルド・ダール原作に加え、ジョージ・クルーニーが主人公の声をやっているじゃないですか!

そんな経緯で観に行ったこの映画、お人形の動きがコミカルで、とても楽しく観られました。
バックにビーチボーイズの曲が流れていたのも映画の雰囲気にぴったりでしたね。
主人公がクールでキザで、ジョージ・クルーニーのイメージ通りだったことも、ふふふって思っちゃいました。
原作のキャラクターもこんななのかしら?

この日はとても印象的な出来事が。
元々方向音痴の上に知らない街なので、案の定この映画館への行き方がよくわかりませんでした。
そこで、信号待ちをしていた女性の方に道を聞いてみたことろ、その方も同じ建物へいらっしゃるということでご一緒させていただきました。お話をしているうちに、なんと彼女も映画館へ向かっていて、しかも同じ映画を観ることが判明!
彼女は1年に80回ぐらい映画館に足を運ばれているということで、始まるまでの間、最近観た映画やこれから観たい映画のお話をしました。
そういえば、映画館って映画が好きな人たちが集まっているのに、待っている間に声をかけておしゃべりなんてしたことない!
ほんとに少しの時間でしたが、いろんな映画や俳優さんたちのお話ができて楽しかったー。
このブログのURLが書いてある名刺をお渡ししたので、これを読んでくださっていたら嬉しいなぁ。


・The Killer Inside Me
(「キラー・インサイド・ミー」 2010年 アメリカ)

原作はジム・トンプソンの同名小説。監督はマイケル・ウィンターボトム。
主演はケイシー・アフレック。彼、声とか喋り方がお兄さんのベン・アフレックにそっくりですね!(顔は弟さんの方が男前)
ジェシカ・アルバが出ているからか、レディースデーなのに男性ばかりだったのが印象的でした。

私の苦手な暴力的なシーンがけっこう出てくるので、何度も目をつぶってしまいました。
タイトルにもなっている 「The Killer Inside Me」(これ、小説の邦題「おれの中の殺し屋」は直訳なんだけど、ちょっとニュアンスが違う気がする・・・)って、人間の本能、みたいなことをよく言いますよね。
私はそういうシーンを見るのも苦痛だし、そういうシチュエーションで性的に興奮するということもないので(あったとしてもこんなところで言わないか!いや、ほんとにないんですけどね)本能というよりやっぱり趣味の問題なんじゃないかと思います。
まあ、奥底にはあるのかもしれないけれど、何代にも渡って理性的に生活をしてくるうちに、もはや趣味の域になっているのではないかと。

このストーリーの舞台は1950年代のテキサス。
このころの車ってかっこいいですよね!
あと、このあたりが舞台になっているアメリカの映画やドラマでよく見かける、スーツなのにカウボーイハットとカウボーイブーツっていうのもかっこいい。
もちろん、映画「アンタッチャブル」みたいなソフト帽と革靴(願わくばローファー)っていうのも好きですよ。

全編に渡って印象的だったのは、緊迫したシーンのバックに楽しげなカントリー・ミュージックが流れていたところ。
なんか笑っていいのかどうなのか、ちょっと不思議な感じの映画でした。
エンディングなんてもう、どういうリアクションをしたらいいのかさっぱりわかりませんでした。
ま、私は笑って楽しく終わりましたけどね。


・Blue Valentine
(「ブルー・バレンタイン」 2010年 アメリカ)

ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウイリアムズ主演。
一目惚れをして恋に落ちたふたりの7年後。
出逢った当時と愛が冷めてしまった今が交互に構成されています。

まあ、とにかく切なく悲しい気持ちになる映画でした。
私がいちばんわかるなぁ、と思ったのはシャワーのシーン。
男性でも女性でも、こういう気持ちのすれ違いを経験したことがある方は多いんじゃないかな。あー、泣きそう!
このホテルのシークエンスにはそういうちょっとした切ないシーンがたくさんあって、また安っぽいホテルってところがよけい悲しくなっちゃいます。
あと、お酒を飲んで酔っぱらってるのに回転ベッドでぐるぐる回っていて、乗り物酔いをする私は観ているだけで酔いそうでした。

Chicagoの19番目のアルバムの中に「We Can Last Forever」というタイトルの大好きな曲があります。
もちろんタイトルの言葉は存在すると信じています。
そしてこの映画の中のセリフとしても出てくる言葉「love at first sight」という現象が存在することも、身を以って知っています。

それでも、この物語のふたりの関係には共感することができたし、シンディとディーンの気持ちも痛いほどよくわかりました。
こういう映画を観ると恋をするのがちょっと怖くなってしまいますが、まあ、これはあくまで映画なので、やはり恋はしないといけないですね。

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