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Witness

Witness© 1985 Paramount Pictures.


1985年公開のハリソン・フォード主演映画。邦題は「刑事ジョン・ブック/目撃者」。
 
今年2010年の2月から、全国のTOHOシネマズで「午前十時の映画祭」という企画をやっています。
これは、昨年末に行われた投票で選ばれた50本の映画が、全国25のTOHOシネマズの映画館で公開される、というものです。
1年間週替わりで毎日10時からなので、まあ、平日勤務の会社員であれば、だいたい土日のどちらかしか観られません。
そのため、1年前にこのスケジュールを知ったときから「この週の土曜日は10時から近所の映画館でジョン・ブックを観る!」と決めていたわけです。
 
こうやって昔の映画を映画館で観られるのはとてもいい企画だなぁと思います。
今年は東宝系の映画館でこのCMが何度も流れていて、毎回それを観ただけでちょっと泣いちゃいそうでした。
今年これが好評だったようで、来年も続行が決まっています。ありがたいですねー。
 
来年は私の大好きな「アメリカン・グラフィティ」や「風と共に去りぬ」、そして今30代の方なら大喜びであろう「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(*1)も入っています。
西部劇と007が好きな父からは「大いなる西部」「シェーン」「ロシアより愛をこめて」は観ておきなさい、と言われています。
また、今年の50本が別の劇場で来年も上映されるということなので、今年見逃したものももう一度観るチャンスがあります。
最近では昔の映画を短期間上映している映画館もありますが、こういうのがもっともっと増えればいいなぁと思います。

そんなわけで、今年この大好きな作品を映画館で観ることができました。

この映画は、アーミッシュの男の子がお母さんと都会に出かけて、駅のトイレで殺人事件を目撃してしまうというストーリーです。
 
この男の子を演じたのはルーカス・ハース。彼は最近では「インセプション」に、ちょっと前には「24」や「クリミナル・マインド」などのテレビドラマにも出ていました。知らずに観ていて「あれ?」と思ったらやっぱり彼でした。大きくなったねー。というか私とほとんど同じ歳なので、おじさんになったね・・・。

サミュエルのお母さん、レイチェルを演じているのは、「トップ・ガン」で有名なケリー・マクギリス。
事件を調べる刑事ジョン・ブックがハリソン・フォード。
リーサル・ウェポン・シリーズでおなじみのダニー・グローバーも出演。
今回ヴィゴ・モーテンセンがちょい役で出ていたのも発見。へー、知らなかった。

ストーリーの半分以上は、この母子が暮らすアーミッシュの村が舞台です。
アーミッシュについて詳しく描かれているわけではなく、一般的に知られているようなこと(電気は使わないとか質素な生活をしているとか)しか出てきませんが、実際は、聖書以外の本は読んではいけない・讃美歌以外の音楽は聴いてはいけない・化粧をしてはいけない・コミュニティ内で行われている8年間の学校教育以上の教育を受けてはいけない、など、多くの厳しい規律があるようです。
しかし、彼らは成人する前にアーミッシュの生活を離れて都会でふつうの生活をする期間があり、その後アーミッシュであり続けるかを自分で選択するそうです。
以前ドラマで、アーミッシュの生活を捨てた若者が出てくるエピソードを観たことがあります。その道を選ぶと、もう家族とも縁を切らないといけないんだって。

この映画は、アーミッシュの生活を象徴するかのように、とにかく静かに話が進んでいきます。
全体を通してセリフがとても少なく、穏やかなシーンも激しいシーンも、美しい風景と俳優さんたちの表情がストーリーを語っています。

ジョン・ブックは、私が思うハリソン・フォードの特徴である愛想のなさと、その後彼のトレードマークとなる正義のヒーロー的な要素を持ったキャラクターです。
彼はこの作品でアカデミー主演男優賞にノミネートされました。(*2)
 
おじいちゃんが男の子をひざに抱いて殺人について説明するシーンも、変に教訓くさくなくて好感が持てます。
男の子が犯人をジョンに教えるシーンと、ジョンが銃を見つけて触ろうとした男の子を叱るシーン(このとき男の子演技じゃなくてほんとに驚いてるよね)も好きだなぁ。

この男の子がまた、冷静で賢い子なんです!いろんな場面できちんと役に立つの!
つぶらな瞳で人々を観察する様子が彼の目の高さで描かれていて、観ている方まで初めて大きな駅に来たような気分になれます。
彼が犯人に見つからないようにトイレの個室で静かに逃げ回るシーン、特に大切な帽子を間一髪で拾うシーンは、「映画の中のハラハラドキドキシーンランキング(私独自の)」でトップを争う出来栄えです。
 
村のみんなで新婚さんの新居を建てるシーンがまた美しい!これを大きなスクリーンで観られただけでもうれしかったです。
男性が家を建てる、女性は食事や飲み物の準備をする、子供たちはちょっとした作業を手伝う、という役割分担が当然のこととして出来上がっています。
ハリソン・フォードは昔大工をやっていたということで、このシーンでも大活躍。みんなが彼の腕前に感心しています。
村人たちが力を合わせて1日で家を建てる、しかもそれが新しい夫婦の新居で誰もがそれを経験してきている、となると、おとなにとってもこどもにとってもわくわくするイベントなんでしょうね。
 
ジョンは彼らの家に滞在している間、銃弾をレイチェルに預けているのですが、彼女はそれをキッチンの小麦粉かなんかのビンに隠しています。
アメリカの映画やドラマを観ていると、よく大事なものをキッチンに隠しています。
先日、BSで放送中の「グッド・ワイフ」というドラマでも、主人公が宝石をキッチンの缶に隠していました。これが、やばいお金とか麻薬とかになるとトイレのタンクの中になる。
日本だと大事なものは箪笥の中に隠すイメージだよねぇ。

レイチェルとジョンがサム・クックの「ワンダフル・ワールド」(*3)に合わせてダンスをするシーンでは、初めてレイチェルの笑い声が聞けます。
ジョンがレイチェルに「君を抱いたら帰れなくなる」と言うセリフは、中学生の頃に観たときにはあまり記憶に残っていませんでしたが、今回改めて観て、ほんの短いシーンなのにこんなにも印象的だったか!と驚きました。私もおとなになった。
彼らの関係は具体的に描かれてはいませんが、「この映画は切ないラブストーリーだよね」と言われたら「そうそう!」って即答しちゃいます。
 
ジョンが犯人に追いつめられ、そして追いつめる終盤も、セリフがほとんどないためよけいに緊張感があります。(コーンで窒息するの苦しそう!)
そして、最後にジョンが村を去るとき、サミュエル・レイチェル・ダニエル(エルばっかりだな)・サミュエルのおじいさんとお別れをします。
ここでもまた、それぞれのキャラクターとの関係がうまく描かれていて、あー、いい映画を観たなぁ、と思える素敵なエンディングになっています。
 
この映画に限らず、10代の頃に初めて観て感動した映画というのは、何度観ても大好きな映画であり続けます。
そんな作品を映画館で観ることができて、とても幸せな2時間でした。

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*1 「ゴッド・ファーザー」は今年part1があって来年はpart2が入っているので、再来年までこの企画やめられないね、と思ったら、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が来年からとなると再来年の次もやらないといけないじゃない!東宝さん大変!

*2 この年のアカデミー賞を調べてみたら、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も同じ年だったんですね。
日本映画「乱」では、監督賞(黒澤明)と衣装デザイン賞(ワダエミ・受賞)がノミネートされていて、ジョン・ブックは作品賞・監督賞など何部門もノミネートされていました。

*3 「Don't know much about ~」という歌詞が、「どの街が~」と聞こえてしょうがない。

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