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THE UNTOUCHABLES

The_untouchables © 1987 Paramount Pictures.

この20年間、私が好きな映画TOP5(*1)に常時ランクインしている映画。

1990年頃にはこの映画をはじめ、「モブスターズ」「バグジー」「ビリー・バスゲイト」など、ギャング映画が多く公開されていて、好きなジャンルのひとつでした。

「モブスターズ」は、4人のイタリア系ギャングの若かりし頃を描いていて、中心人物はクリスチャン・スレータ―演じるラッキー・ルチアーノ。
どうせ私のことなので、クリスチャン・スレーターとパトリック・デンプシーが出てるから、という理由で観に行ったんだと思います。なにしろ副題が「青春の群像」っていうぐらいだから。

ラッキー・ルチアーノはビジネスとして組織を統合することに力を注いだ人物で、イタリア4大マフィアのひとつ「コーサ・ノストラ」の最高幹部。どんな商売においても、合理的に経営していくべきだと気づく人はちゃんと現れるものです。
「ルチアーノ家」は1930年代に組織されたNY5大ファミリーのひとつで、現在のファミリーの名称は1960年代にすべて変更されたそう。ちなみに「ルチアーノ家」は現在では「ジェノベーゼ家」。イタリアンマフィアなだけあって美味しそうな名前!

「バグジー」は、1940年代当時まだ小規模なギャンブルしか行われてなかったラスベガスに、巨大ホテル・フラミンゴを建設したベンジャミン・バグジー・シーゲルの物語。バグジーを演じているのはウォーレン・ビーティー。彼はフェミニストとして有名だったそうで、こんなシーンがありました。
バグジーの仕事相手か誰かがバージニアのことを「あの女」という感じで呼んだとき、彼が「彼女は”女”じゃない。バージニアだ」と言うのです。
私が高校生のとき「男尊女卑について」という課題の作文があり(今思うとひどい課題だな)それがちょうどこの映画を観た直後だったので、このエピソードを書いた覚えがあります。高校生の私はこのシーンを見て、彼が彼女を尊重していると感じたんですね。その作文、他にどんなこと書いたのか読んでみたい。
この映画でバージニア・ヒルを演じているのはアネット・ベニング。彼女はこの強く美しいキャラクターにぴったりで、当時の私の「素敵な女性」のイメージそのままでした。

「ビリー・バスゲイト」に出てくる大物ギャングはNYで活躍したダッチ・シュルツ。ビリーは彼の子分。ダッチ・シュルツは死の直前に意味のわからない言葉を残したことでも有名で、バロウズの小説にもなっています。
この映画は、ダスティン・ホフマン、ブルース・ウィルス、スタンリー・トゥッチ、二コール・キッドマンなど大物俳優さんがたくさん出ているのに(しかも二コール・キッドマンのヌードまで登場するのに)あまり知られていないです。ま、私も内容あんまり覚えてないけど。

これらの映画はギャング側が主役です。一方「アンタッチャブル」は警察側が主役。
この映画はキャラクター設定・ストーリー・音楽・衣装・ひとつひとつの台詞まで、どこを取っても素晴らしい!
「映画」というものを知らない人(火星人かなにか?)に映画について説明するとしたら、この映画を見せればいいと思います。

この映画でまず素晴らしいのは、それぞれのキャラクターの登場シーン。

いちばん最初に出てくるのはロバート・デ・ニーロ演じるアル・カポネ。
もう彼は登場シーンから憎たらしい!出てくるたびになんだかやけているところも、オペラ見ながら笑い泣きするところや法廷で余裕であくびしているところなんかも、毎回きー!むかつくー!って思います。

ケヴィン・コスナー演じるエリオット・ネスの登場シーンも、ショーン・コネリー(*2)演じるマローンと出会うシーンも、短いけれどそれぞれの誠実なキャラクターがわかりやすく描かれています。
カナダ国境の小屋でマローンが死人を相手に演技するシーンもよくできてるよねー。

そして、お決まりのわかりやすさで登場するのが、アンディ・ガルシア演じるストーン。
ここでのマローンも「煽り方いろは」というものがあるとすればまさにそれ。
アンディ・ガルシアがこの数年後に出ている「ゴッドファーザーPART3」を見たときに、まだ若いのにアル・パチーノにもひけをとらずに堂々たるもんだなぁ、と思ったのですが、この「アンタッチャブル」でも登場シーンからすでに十分な存在感があります。

チャールズ・マーティン・スミスは、登場シーンをはじめ根っからのアカウンタントですが、現場に行って銃を撃ったりすることがだんだん楽しくなっていく様子が観ていても楽しい。
彼がエレベータの中で殺されているシーンで、壁に「Tochable」と書かれている(決して買収されないために彼らにつけられた「Untochables」に対抗した言葉として)のを見て、中学生ながらこういうのはやはり英語のまま理解できた方が意図が伝わるなぁと、英語を勉強する励みにしていたものです。

この映画でケヴィン・コスナーが「Chicago」と言う発音がとても印象に残っています。カタカナにすると「シカーゴゥ」。
これはまだわかりやすいですが、地名は日本語の発音と全然違って「え?」って思うものもあります。
「Manhattan」は「マンハーラン」という感じで、これはほんとに知らないと全く聞き取れないです。初めて「SEX AND THE CITY」で聞いたときは、マンハッタンのことだとは気づかなかったぐらい。でもこのドラマではしょっちゅう出てくるので鍛えられました。
あと、「Capone」は英語では「カポーン」。これはちょっとかわいい。「カポネ」の方が悪者っぽい。

ギャング映画の醍醐味のひとつは、上等なスーツとソフト帽がびしっと決まっているところ。ショーン・コネリーだけはベレー帽とハンチング帽のあいのこみたいなかわいい帽子です。
この映画の衣装はジョルジオ・アルマーニ。(*3)
以前、父の誕生日にかっこいいジャケットでもプレゼントしようと思い、「どんなのがいい?」と聞いてみたところ、「アンタッチャブルに出てくるみたいのがいい」と言われました・・・。そりゃあいいよねぇ、アルマーニだから。

映画を観ていてわくわくするのは半分ぐらいは音楽のおかげです。
この映画の音楽はエンリコ・モリコーネ。彼は数年前に大河ドラマ「ムサシ」の音楽もやっていました。
アル・カポネが登場するときに流れる曲や手入れに向かうシーンの曲など、映画音楽の見本みたいです。
そして有名なユニオン・ステーションの「乳母車のシーン」(*4)
集中して見張りしなきゃいけないのに、ケヴィン・コスナーは乳母車の母子が気になってしょうがない。
このシーンでバックに流れている不吉な感じの音とメリーゴーランドのような音が、緊張感をより引き立てています。

ブライアン・デ・パルマ監督の映画はとても「映画っぽい」映像です。
映画に向かって「映画っぽい」という表現するのはどうかと思いますが、例えば「ミュージック・ビデオっぽい映像」とか「ドキュメンタリーっぽい映像」というのがあるような感じで、画の構成(カメラワークっていうのかな?)や画自体の色・質感に関しても、この映画だけでなく「ミッション・インポッシブル」「スネーク・アイズ」「ファム・ファタール」など、彼の映画が私の中での「映画らしい」イメージです。

最近のTVドラマや映画と違って、このころは銃の扱い方がうそっぽい。
撃つとき以外はちゃんと銃口は下に向ける、とか、構えるときはちゃんと両手で、とかが全くなっていません。

私が去年グアムで初めて射撃体験をしたときも、まずそれらを教わりました。
射撃のランクには「EXPERT」「SHARP SHOOTER」「MARKSMAN」「BEGINNER」という4種類があるようで、私はアクション映画なんかでイメージトレーニングを積んでいる(?)おかげか、なんと「SHARP SHOOTER」でした。実生活ではなんの役にもたたないんだけど嬉しかったなぁ。
まあでも、これは一発ずつゆっくり狙って撃ったからで、ジャック・バウアーみたいにばんばん撃って全部当たる、なんていうのはやっぱり相当な訓練をしているのでしょうね。(当たり前です)
リボルバーの後にオートマチックを試したら、ちょー楽ちん!オートマチックが開発されるわけだ、と思いました。
きっとこれが出始めの頃は、リボルバーで育ったおじさんたちが「オートマチックなんて邪道だ!」とか言っていたに違いない。でも彼らも使ってみると「やっぱり楽だなぁ」と思ってるんだよ。
以前勤めていた会社でも、いつまでもドラフターを使っていたおじさんがふたりぐらいいました。設変のときとか楽だからCAD使いましょうよ。

ケヴィン・コスナーなんか銃を片手に子供を抱いたりして、あぶないよーってはらはらします。
まあでも、いくら嘘っぽくても大好きな映画だとそれさえも愛おしい。
毎回遅刻されても惚れた男だと許せちゃうのと同じですね。(これが気になりだしたらおしまいです)

とにかくこの映画は、タイトルコールから最後の台詞まで全てべたなんだけど、私にとっては満点の映画です。
「Love is blind:恋は盲目」とはよく言ったもので、好きになっちゃうといいところしか見えない、といういい例でした。

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*1 好きな映画TOP5に入る映画って10本ぐらいあるような気がする。

*2 サントリーのコーヒー「BOSS」のキャラクターでパイプをくわえている男性が、私にはショーン・コネリーに見えます。父はクラーク・ゲーブルに見えると言い、私はクラーク・ゲーブルがジョージ・クルーニーに見えます。
あとポッカのコーヒーの人は絶対ロバート・レッドフォードだと思う。
なんか「ー」の多い人たちだな。

*3 数年前銀座にできたアルマーニタワー(あの葉っぱ?の外装についてはふれるまい)の中にレストランがあると聞いたとき、何のレストランなんだろう?と思ったけど、イタリアンに決まってるか。やっぱりドレスコードは「アルマーニ」なのかしら?

*4 世間ではこんな名前で呼ばれてないと思います。
他に我が家で有名なのは、「リオ・ブラボー」の「植木鉢のシーン」と「ゴールドフィンガー」で爆弾のタイマーが「007」で止まるシーン。あと兄妹の会話でよく出てくるのは「リーサル・ウェポン」の治外法権が無効になる台詞。どんな会話なんだか。

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