トップページ | American Graffiti »

The Outsiders ( by S.E.Hinton )

The_outsiders © 1983 Universal Pictures.
忘れもしない14歳の夏。
兄に勧められたのか、当時人気だったトム・クルーズやエミリオ・エステヴェスの出演映画の原作として興味を持ったのかはもう覚えていないけれど、この本との出会いは、私が「アメリカの小説っていいものだなぁ」と思った最初の経験でした。

この小説の何が素晴らしいって、それぞれのキャラが立っていること。
主人公のポニーボーイは、貧しいメキシコ系不良グループの一員でありながら本を読むのと夕陽を眺めるのが好きな少年。
ポニーのお兄さんのソーダポップは弟思いで誰からも好かれるとびきりのハンサムさん、ケラケラ・マシューズは呑気で陽気で根っからの楽天家など、キャラクターの設定がわかりやすい上に名前がなんともかわいらしい。

1983年にフランシス・フォード・コッポラ監督で製作された映画は、ストーリーもセリフもほぼ原作に忠実。
この小説はポニーが書いた作文という形式を取っているので、寡黙なポニーの一言にはいろいろな思いが詰まっている(まあ、小説ではたいていがそうなのだけど)ということが、映画では短時間でまとめるために急ぎ過ぎてしまって表現できていないのが残念。
なので、私は断然小説の方が好きなのですが、この映画はとにかくキャスティングが素晴らしいので、映画としての出来はどうでもいいんです。
この映画には、1980年代にブラット・パックと呼ばれていた若手俳優(というか、この映画をはじめとする青春映画に出ていた俳優をまとめて「ブラット・パック」と呼んでいた)がたくさん出ています。

中でも、ポニー役のC.トーマス・ハウエル、ソーダ役のロブ・ロウ(先日「ロブ様大人気!」みたいな見出しを見たとき、ロブ・ロウ今人気なの!?と思ってしまい、そんなわけないかと苦笑しました)ダラス役のマット・ディロン、チェリー役のダイアン・レインはまさに小説のイメージ通り。
小説を先に読んで映画のキャストに納得っていうのは、私はこの映画しか思いつきません。
数年前に、これも当時から好きだったキーファー・サザーランド主演のドラマ「24」に、トーマス・ハウエルが出演していました。
25年も経てば当然なのだけど、彼は当時の面影を残したままちゃんとおじさんになっていたし、ラルフ・マッチオの代表作「ベスト・キッド」がリメイクされたり、ロブ・ロウが上院議員の役をやるようになったり、パトリック・スウェイズは癌で亡くなってしまったり・・・。

この本は日本語でも何回も読んでいますが、原書で読むのも楽しいです。
私の拙い英語力でも、ポニーはこういう言葉づかいをするのかーと、よりこの小説の雰囲気を感じられます。
マスタングという車を知ったのもこの小説だったし、私が文庫本にして5冊の「風と共に去りぬ」をあっという間に読めてしまったのも、この小説の中でポニーとジョニーが読んでいたからです。
子供の頃は小説や映画の中のおとなの気持ちが理解できなくて、いつかわかるようになるのかなぁと思っていました。
おとなになると、おとなの気持ちも、自分が経験してきた子供の気持ちも理解できるので(その共感度が薄れてはいるのだろうけど)おとなになるっていいなぁと思います。

とは言っても、やはりこの小説がいまだにこんなに愛おしく思えるのは、初めて読んだのがティーンネイジャーの頃だったからです。
あの夏にこの小説に出会えて私は本当にラッキーだったと、今改めて思います。

|

トップページ | American Graffiti »

04.小説」カテゴリの記事